Category: カメラ
クラシックカメラマン108
今日紹介するのは、こんなカメラ。ZEISS IKONのロゴが目立ちますね。

ポケットにも入るようにいろんなモノが折りたたまれています。

普通のカメラならシャッターがあるところに付いているボタンを押すと、シャキーーン。

いいなぁ、このメカとレンズ、全体的な調和感。工業デザインを超えた、芸術作品ですね。
スーパーイコンタ531というカメラです。
1934年から戦争を挟んで1950年代なかばまで、ドイツで生産されたモデル。

生産国表示は英語とフランス語併記です。
右の四角い窓がファインダー、左下の小さな丸窓が距離計レンジファインダーです。

シャッターボタンは左手側。普通のカメラとは逆ですね。
レンズ左上のリングがピント調整。これを右手で回すとその上にある丸いガラス板、ドレイカイルと呼ばれる回転式プリズムなんですが、これが連動して回ります。

距離計の片方の窓へまっすぐ入ってくる光と、この回転プリズムを通して屈折してもう一方の窓へ入る光、二つの像が一致するようにピントを合わせると合焦するという仕組みなんです。

蛇腹の先に取り付けられたシャッターメカニズムとレンズ。一体的に前後してピントを合わせるんですね。
ちなみに、ピントという単語はオランダ語のようです。
この個体は、feet表示なので、米英向けに作られたものなんでしょう。

フィルムサイズは、6x4.5cm。
6x9cmのスーパーイコンタと区別するために、通常はスーパーセミイコンタと呼びます。

今でも買える120タイプと呼ばれるロールフィルムを使うのですが、戦前は6x4.5用の枚数表示がなかったそうで、6x9用の表示が左右の二つの窓に交互に現れるように使ったそうです。
Zeiss Ikon Filmなんて当時はあったんですね。

いろいろ調べてみると、この個体には二重撮影防止装置も付いているし、スーパーセミイコンタIII(Super Ikonta 531、1937年発売)に分類されるようなんですが、ウィキペディアによれば、このモデルは二つ窓ではなく、一つ窓のはず。謎です。

レンズメーカー名が、Carl Zeiss Jenaになっているモデルは、戦前~1954年までの旧東独地域にあるイエナ製だそうです。

米英向けのfeet表示ということもあるし、1950年前後の製造でしょうか?
大きなカメラに見えるかもしれませんが、実際は普通の一眼レフと同じ程度。

畳んだときは、その一眼レフのレンズ無しボディ程度になってしまいます。

同じドレイカイル式距離計を装備した35mmと6x6版カメラの紹介はこちら。
私のカメラコレクション、紹介記事の索引はこちらです。ご意見ご感想お待ちしております。

ポケットにも入るようにいろんなモノが折りたたまれています。

普通のカメラならシャッターがあるところに付いているボタンを押すと、シャキーーン。

いいなぁ、このメカとレンズ、全体的な調和感。工業デザインを超えた、芸術作品ですね。
スーパーイコンタ531というカメラです。
1934年から戦争を挟んで1950年代なかばまで、ドイツで生産されたモデル。

生産国表示は英語とフランス語併記です。
右の四角い窓がファインダー、左下の小さな丸窓が距離計レンジファインダーです。

シャッターボタンは左手側。普通のカメラとは逆ですね。
レンズ左上のリングがピント調整。これを右手で回すとその上にある丸いガラス板、ドレイカイルと呼ばれる回転式プリズムなんですが、これが連動して回ります。

距離計の片方の窓へまっすぐ入ってくる光と、この回転プリズムを通して屈折してもう一方の窓へ入る光、二つの像が一致するようにピントを合わせると合焦するという仕組みなんです。

蛇腹の先に取り付けられたシャッターメカニズムとレンズ。一体的に前後してピントを合わせるんですね。
ちなみに、ピントという単語はオランダ語のようです。
この個体は、feet表示なので、米英向けに作られたものなんでしょう。

フィルムサイズは、6x4.5cm。
6x9cmのスーパーイコンタと区別するために、通常はスーパーセミイコンタと呼びます。

今でも買える120タイプと呼ばれるロールフィルムを使うのですが、戦前は6x4.5用の枚数表示がなかったそうで、6x9用の表示が左右の二つの窓に交互に現れるように使ったそうです。
Zeiss Ikon Filmなんて当時はあったんですね。

いろいろ調べてみると、この個体には二重撮影防止装置も付いているし、スーパーセミイコンタIII(Super Ikonta 531、1937年発売)に分類されるようなんですが、ウィキペディアによれば、このモデルは二つ窓ではなく、一つ窓のはず。謎です。

レンズメーカー名が、Carl Zeiss Jenaになっているモデルは、戦前~1954年までの旧東独地域にあるイエナ製だそうです。

米英向けのfeet表示ということもあるし、1950年前後の製造でしょうか?
大きなカメラに見えるかもしれませんが、実際は普通の一眼レフと同じ程度。

畳んだときは、その一眼レフのレンズ無しボディ程度になってしまいます。

同じドレイカイル式距離計を装備した35mmと6x6版カメラの紹介はこちら。
私のカメラコレクション、紹介記事の索引はこちらです。ご意見ご感想お待ちしております。
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Comments
職人魂
この様なカメラもあったのか・・・
率直な感想です。
現在の電子化されたデジタルカメラと違い
機械式カメラを製作する技術者達の職人魂
がヒシヒシと感じられます!
品質やコストも大事ですが、それ以上に
大事な事があるのでは・・・ 魂が熱くなる
ようなチャレンジ精神、失敗を恐れず立ち向かう
物作り精神等々・・・ 時代が進むにつれ、
忘れ去られつつある事ってあるのでは?
クラシックカメラを見るとふと思ってしまうのです。
率直な感想です。
現在の電子化されたデジタルカメラと違い
機械式カメラを製作する技術者達の職人魂
がヒシヒシと感じられます!
品質やコストも大事ですが、それ以上に
大事な事があるのでは・・・ 魂が熱くなる
ようなチャレンジ精神、失敗を恐れず立ち向かう
物作り精神等々・・・ 時代が進むにつれ、
忘れ去られつつある事ってあるのでは?
クラシックカメラを見るとふと思ってしまうのです。
NAO。さんへ
おはようございます。
距離計という計測技術を元に、精密な機械技術でレンズやシャッターを駆動、高度な光学技術で設計されたレンズが結んだ像を、当時最先端の化学技術で造られたフィルムが保存し、現像され、写真ができる。
これはロマンですね。
電子技術はひとかけらも使われていないから電池もいらない。
電子工学科を卒業した私が惹かれる理由です。
このカメラ、20年ぐらい生産され続けらています。
良いものを作れば20年の間買い求められ、50年100年使ってもらえる、これが職人たちの魂を揺さぶるのです。
20年といえばデジカメや携帯電話が一般化して今日までの時間。
各メーカー何百機種造り捨てしてます。
距離計という計測技術を元に、精密な機械技術でレンズやシャッターを駆動、高度な光学技術で設計されたレンズが結んだ像を、当時最先端の化学技術で造られたフィルムが保存し、現像され、写真ができる。
これはロマンですね。
電子技術はひとかけらも使われていないから電池もいらない。
電子工学科を卒業した私が惹かれる理由です。
このカメラ、20年ぐらい生産され続けらています。
良いものを作れば20年の間買い求められ、50年100年使ってもらえる、これが職人たちの魂を揺さぶるのです。
20年といえばデジカメや携帯電話が一般化して今日までの時間。
各メーカー何百機種造り捨てしてます。