Category: カメラ
モダンカメラマンⅩⅨ
カメラを手にしたり、眺めたり、透かしたり。
人がぶら下げてるカメラを観察したり、ショーウインドウの銘機を見つめたり。
車や自転車や、ハンドバックや靴でも同じかもしれませんが、持つ喜びと共に、その機能を発揮させる、つまり持って、乗って、履いて出かけたくなる、誘引力のようなものが、モノには必要ですよね。
ニコンやキャノンのプロ用のカメラは、どんな環境下でもプロが仕事を全うするための重く大きな形で、プロはその重みで、安心して苛酷な環境に出掛けていけるのかもしれませんが、当然アマチュアにはそんな装備は必要ありません。と言うかそんな重いものを持って出掛ける気さえしません。

では、一番モチベーションを高めてくれるカメラのサイズとはどんな大きさと機能なんでしょう。
例えば、車やバイクの愛好者が、レースカーやラリーカーに憧れるのと同じようにハイアマチュア用のカメラはプロ用によく似た形と機能を持ったものが多かったように思います。
特に、プロ用の望遠レンズが巨大になるにつれて、カメラ本体にモータードライブとハンドグリップが一体化されるようになり、カメラは平たい箱から奥行きがある立体になっていきます。
Nikonの一眼レフでいえば、F3からF4の時代、アマチュア用だと、FAからF801のころでしょうか。
これは機構設計が、紙に三方向からの図面を書いていたやり方から、コンピュータを使ったCAD、つまり画面上でカタチを見る方法へ変わっていった時期と重なります。
カメラの奥行きが長くなると、全長が短い単レンズの存在価値が低くなり、光学設計技術(これも要するにコンピュータに計算させる)の進歩も相まって、ズームレンズが主流になっていきました。
そうするとカメラを首にぶら下げた時には、昔のカメラはレンズが前を向いたのに、ズームレンズを着けたカメラは下を向いてお辞儀してしまいます。
このスタイルが、私は嫌いだったのに最近気づいたんですね。

そうです、私が好きなカメラは、ぶら下げた時にレンズがちゃんと前を向くカメラ。
あと、手がいろは紅葉のように小さいので、大きなグリップのカメラがグリップできないと言う問題もありましたが。大型バイクだと足が届かない感じですか。
もちろん世の中には、コンパクトカメラと言う一大派閥もありまして、基本はポケットやカバンに入る大きさと言うことで、これはこれで、撮りたいときにカメラが無いという悲しい状況を防ぐためにも、常にカメラを携帯したかったり、元々普段から持ち歩く荷物が多い人にはこれしかないわけです。
だけど気合を入れて写真を撮りたいときには役者不足だったりします。
機能的にはしっかりしたカメラもあるのですが、いまひとつ気合が乗らないのです。
フィルム時代のRicohのGRシリーズなんかは、いつも重い機材を助手たちに持たせている一流カメラマンが、ポケットに入れていて、たまたまオフの場で、撮ってみたらすごい写真が撮れたりして認められるようになったものでしょう。
で、私にとってベストサイズのカメラの考察なんですが、このサイズかもしれません。

マイクロフォーサーズについては散々、究極のデジカメフォーマットかもしれないと書いてきましたが、このOlympus Pen E-P1は、Lumix G1とは異なる路線で、金属ボディで、手振れ補正がボディ内蔵です。
G1は、普通のデジタル一眼と同じようなカタチなのに、E-P1は大きめのコンデジといったカタチ・サイズなのですが、ちょっと重めで、デザインにも風情があります。

もちろんレンズは交換できます。

このEP-1は、かつてのハーフサイズ一眼 Pen Fの哲学をベースに設計されたカメラなのでした。

ほぼ同じ大きさで、上面手前のラインが右下がりなのも同じ。

コンデジだとちょと小さすぎという人にはちょうど良いサイズなんです。
モードダイヤルが、F以外のPenシリーズの巻き上げノブと良く似ています。

でも、肝心なところが手抜き。
Leica M4-2と並べてみたのですが、Leicaはレンズをつけた状態で、前後のバランスが上手く取れるところに、ストラップ用の吊り金具がついているんですが、EP-1は単にど真ん中。

これではやっぱり少しお辞儀してしまうんです。
マイナーチェンジして欲しいものです。
それから別に入手した純正の17mm(35mm換算で、34mm相当)レンズ、フードが付属していないんです。オマケにフィルター系が37mmという変則サイズ。
スティルカメラレンズでは普通使われないサイズなんです。
でも、捨てる神あれば拾う神あり。(ちょっと違うか)
37mmというのは昔からホームムービーカメラのフィルターサイズなんですね。

家でほとんど使われていないDVカムのプロテクターとフードがぴったりでした。色まで同じ。嬉しい誤算(これも違う?)です。

もちろんG1と同じくレンズアダプターで遊べます。

上は、LeicaのMマウント、下はOlympusのPen Fマウント用変換アダプターをつけたものです。

これはLeicaのRマウント用変換経由タムロンアダプトール2レンズの500mm反射式望遠です。35mm換算で1000mm相当になります。

デジカメwatchに使用レポートがあります。ボディを初め金属が多用されていて、重みと言いとても良いのですが、トップとボトムカバーがアルミニウムなのに対し、メインボディがステンレスで、シルバーモデルはそこがヘアライン仕上げなんです。(画像は無断借用)

ヘアライン仕上げそのものは嫌いではないのですが、ちょっとこのデザインには似合いません。Pen-Fみたいな革張りにならなかったのでしょうか、と言うわけで後から革風のシートを貼るオプションがいろいろ販売されているようです。
私はブラックかオリーブボディが欲しかったのですが、出そうも無いのでこのホワイトヴァージョンを入手したのでした。

総評ですが、持った感じの質感は抜群、シャッター音はG1と同じで今一、デザインも今一、買おうか悩んでいる方にはまずお店で手にとって見ることをお奨めします。
アダプターを使って昔のレンズで遊びたい方には、手振れ補正がボディ内蔵なので○、でもストロボが内蔵されていないんです。私はほとんど使用しないので構わないのですが。
あとファインダーはやっぱり欲しいです。
対抗馬である、LUMIX GF1は質感では劣る(見た目はコンデジ)もののストロボ内蔵、でも手振れ補正はレンズ側なんです。だから古いレンズだと補正なし。でもLVFが付けられます。
とにかく手にとって、背中を押してくれるほうを買うことです。
オリンパスのデジカメは初めて買ったのですが、面白いアートフィルター機能と言うのが標準装備。普通あとからソフトで加工するのを撮影時にやっつけてくれるんです。
先日岩手秋田県境に出掛けた時に持ち出してテストしてみました。
例えばトイカメラモード。

周辺の光量落ちと、解像度不足をわざわざ造ってくれるんです。

昔風の街並みなんかだと面白いかも。

他にもいろいろあるのですが、これはポップアート。


要するにクロマを上げてカラフルにしてるんですね。

紅葉写真には向かないみたい。

ぶら下げて歩きたいカメラとなりそうです。
今朝の明星 by Pentax

この記事を書くのに夢中で日の出は見逃しましたが、これが見えました。

蔵王の冠雪です。冬ですね。
人がぶら下げてるカメラを観察したり、ショーウインドウの銘機を見つめたり。
車や自転車や、ハンドバックや靴でも同じかもしれませんが、持つ喜びと共に、その機能を発揮させる、つまり持って、乗って、履いて出かけたくなる、誘引力のようなものが、モノには必要ですよね。
ニコンやキャノンのプロ用のカメラは、どんな環境下でもプロが仕事を全うするための重く大きな形で、プロはその重みで、安心して苛酷な環境に出掛けていけるのかもしれませんが、当然アマチュアにはそんな装備は必要ありません。と言うかそんな重いものを持って出掛ける気さえしません。

では、一番モチベーションを高めてくれるカメラのサイズとはどんな大きさと機能なんでしょう。
例えば、車やバイクの愛好者が、レースカーやラリーカーに憧れるのと同じようにハイアマチュア用のカメラはプロ用によく似た形と機能を持ったものが多かったように思います。
特に、プロ用の望遠レンズが巨大になるにつれて、カメラ本体にモータードライブとハンドグリップが一体化されるようになり、カメラは平たい箱から奥行きがある立体になっていきます。
Nikonの一眼レフでいえば、F3からF4の時代、アマチュア用だと、FAからF801のころでしょうか。
これは機構設計が、紙に三方向からの図面を書いていたやり方から、コンピュータを使ったCAD、つまり画面上でカタチを見る方法へ変わっていった時期と重なります。
カメラの奥行きが長くなると、全長が短い単レンズの存在価値が低くなり、光学設計技術(これも要するにコンピュータに計算させる)の進歩も相まって、ズームレンズが主流になっていきました。
そうするとカメラを首にぶら下げた時には、昔のカメラはレンズが前を向いたのに、ズームレンズを着けたカメラは下を向いてお辞儀してしまいます。
このスタイルが、私は嫌いだったのに最近気づいたんですね。

そうです、私が好きなカメラは、ぶら下げた時にレンズがちゃんと前を向くカメラ。
あと、手がいろは紅葉のように小さいので、大きなグリップのカメラがグリップできないと言う問題もありましたが。大型バイクだと足が届かない感じですか。
もちろん世の中には、コンパクトカメラと言う一大派閥もありまして、基本はポケットやカバンに入る大きさと言うことで、これはこれで、撮りたいときにカメラが無いという悲しい状況を防ぐためにも、常にカメラを携帯したかったり、元々普段から持ち歩く荷物が多い人にはこれしかないわけです。
だけど気合を入れて写真を撮りたいときには役者不足だったりします。
機能的にはしっかりしたカメラもあるのですが、いまひとつ気合が乗らないのです。
フィルム時代のRicohのGRシリーズなんかは、いつも重い機材を助手たちに持たせている一流カメラマンが、ポケットに入れていて、たまたまオフの場で、撮ってみたらすごい写真が撮れたりして認められるようになったものでしょう。
で、私にとってベストサイズのカメラの考察なんですが、このサイズかもしれません。

マイクロフォーサーズについては散々、究極のデジカメフォーマットかもしれないと書いてきましたが、このOlympus Pen E-P1は、Lumix G1とは異なる路線で、金属ボディで、手振れ補正がボディ内蔵です。
G1は、普通のデジタル一眼と同じようなカタチなのに、E-P1は大きめのコンデジといったカタチ・サイズなのですが、ちょっと重めで、デザインにも風情があります。

もちろんレンズは交換できます。

このEP-1は、かつてのハーフサイズ一眼 Pen Fの哲学をベースに設計されたカメラなのでした。

ほぼ同じ大きさで、上面手前のラインが右下がりなのも同じ。

コンデジだとちょと小さすぎという人にはちょうど良いサイズなんです。
モードダイヤルが、F以外のPenシリーズの巻き上げノブと良く似ています。

でも、肝心なところが手抜き。
Leica M4-2と並べてみたのですが、Leicaはレンズをつけた状態で、前後のバランスが上手く取れるところに、ストラップ用の吊り金具がついているんですが、EP-1は単にど真ん中。

これではやっぱり少しお辞儀してしまうんです。
マイナーチェンジして欲しいものです。
それから別に入手した純正の17mm(35mm換算で、34mm相当)レンズ、フードが付属していないんです。オマケにフィルター系が37mmという変則サイズ。
スティルカメラレンズでは普通使われないサイズなんです。
でも、捨てる神あれば拾う神あり。(ちょっと違うか)
37mmというのは昔からホームムービーカメラのフィルターサイズなんですね。

家でほとんど使われていないDVカムのプロテクターとフードがぴったりでした。色まで同じ。嬉しい誤算(これも違う?)です。

もちろんG1と同じくレンズアダプターで遊べます。

上は、LeicaのMマウント、下はOlympusのPen Fマウント用変換アダプターをつけたものです。

これはLeicaのRマウント用変換経由タムロンアダプトール2レンズの500mm反射式望遠です。35mm換算で1000mm相当になります。

デジカメwatchに使用レポートがあります。ボディを初め金属が多用されていて、重みと言いとても良いのですが、トップとボトムカバーがアルミニウムなのに対し、メインボディがステンレスで、シルバーモデルはそこがヘアライン仕上げなんです。(画像は無断借用)

ヘアライン仕上げそのものは嫌いではないのですが、ちょっとこのデザインには似合いません。Pen-Fみたいな革張りにならなかったのでしょうか、と言うわけで後から革風のシートを貼るオプションがいろいろ販売されているようです。
私はブラックかオリーブボディが欲しかったのですが、出そうも無いのでこのホワイトヴァージョンを入手したのでした。

総評ですが、持った感じの質感は抜群、シャッター音はG1と同じで今一、デザインも今一、買おうか悩んでいる方にはまずお店で手にとって見ることをお奨めします。
アダプターを使って昔のレンズで遊びたい方には、手振れ補正がボディ内蔵なので○、でもストロボが内蔵されていないんです。私はほとんど使用しないので構わないのですが。
あとファインダーはやっぱり欲しいです。
対抗馬である、LUMIX GF1は質感では劣る(見た目はコンデジ)もののストロボ内蔵、でも手振れ補正はレンズ側なんです。だから古いレンズだと補正なし。でもLVFが付けられます。
とにかく手にとって、背中を押してくれるほうを買うことです。
オリンパスのデジカメは初めて買ったのですが、面白いアートフィルター機能と言うのが標準装備。普通あとからソフトで加工するのを撮影時にやっつけてくれるんです。
先日岩手秋田県境に出掛けた時に持ち出してテストしてみました。
例えばトイカメラモード。

周辺の光量落ちと、解像度不足をわざわざ造ってくれるんです。

昔風の街並みなんかだと面白いかも。

他にもいろいろあるのですが、これはポップアート。


要するにクロマを上げてカラフルにしてるんですね。

紅葉写真には向かないみたい。

ぶら下げて歩きたいカメラとなりそうです。
今朝の明星 by Pentax

この記事を書くのに夢中で日の出は見逃しましたが、これが見えました。

蔵王の冠雪です。冬ですね。
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テーマ : ★カメラ&レンズ・機材 ジャンル : 写真
Comments
Re
おはよう・・・
相変わらずカメラ薀蓄にはほどほど感心します!
メーカーへのレビュー投稿したら良いかも・・・
バイクもそうですが、欲しくなるとあらゆる観点から調べ、納得する(納得させる?)迄時間をかけますね。
衝動買いした時は後から理由付けしたり(笑)
風写さんの趣味もなかなか良いですよ・・限が無いけど(笑)
相変わらずカメラ薀蓄にはほどほど感心します!
メーカーへのレビュー投稿したら良いかも・・・
バイクもそうですが、欲しくなるとあらゆる観点から調べ、納得する(納得させる?)迄時間をかけますね。
衝動買いした時は後から理由付けしたり(笑)
風写さんの趣味もなかなか良いですよ・・限が無いけど(笑)
OMとはマウント違いますか?
先日、阿佐ヶ谷ジャズストリートで、このデジ持っている爺さんがいました。コンクリートにはいつくばって、別のカメラの300mm?のモニター代わりに使っていたみたい。モニター画面はでかいし、見とれてました。
ところで、このカメラ、OMのレンズ使えるのかな。昔なつかしカメロボももっているんだけど。今度、神田に行ったとき、ショールーム覗いて来よっと。
tokiwaさんが、たまにトイカメラの画像アップしてます。色合い似てますね。
ところで、このカメラ、OMのレンズ使えるのかな。昔なつかしカメロボももっているんだけど。今度、神田に行ったとき、ショールーム覗いて来よっと。
tokiwaさんが、たまにトイカメラの画像アップしてます。色合い似てますね。