Category: 空花鳥風月雲
停電しても大丈夫
遠野の風景で、真っ先に思い浮かぶ場所は此処。

佐々木喜善の生家にほど近い、山口の水車小屋。

この風景を、雑誌やガイドブックで見ると、遠野じゅうにこんな場所が、幾つもあるように感じてしまうのですが、ホテルなどにおいてある「遠野マップ」には、他に水車の記載はないので、此処にしか無いのかもしれません。

ウィキペディアに載っている場所もこれしかありませんでした。
遠野ふるさと村(岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛5-89-1):下の方に出てきます。
府中市郷土の森博物館(府中市 (東京都)南町六丁目32)
日本民家園(神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-1)
水車の里公園(山梨県北杜市武川町三吹2573)
道の駅くんま水車の里(静岡県浜松市天竜区熊1976-1)
大王わさび農場(長野県安曇野市穂高1692 黒澤明の映画『夢』のロケ地):先日紹介済。
下呂温泉合掌村(岐阜県下呂市森2369)
岐阜県道257号川合垂井線沿い(岐阜県揖斐郡揖斐川町春日古屋地区)
馬籠宿
妻籠宿

今も製粉には使えそうです。

近くのダンノハナ。
田んぼはもうすぐ稲刈りが始まる季節かな。

山口のダンノハナは今は共同墓地なり。岡の頂上にうつ木を栽ゑめぐらし其口は東方に向かひて門口めきたる所あり。其中程に大なる青石あり。曾て一たび其下を掘りたる者ありしが、何者をも発見せず。後再び之を試みし者は大なる瓶あるを見たり。村の老人たち大に叱りければ、又もとのまゝに為し置きたり。館の主の墓なるべしと云ふ。此所に近き館の名はボンシヤサの館と云ふ。幾つかの山を掘り割りて水を引き、三重四重に堀を取り廻らせり。寺屋敷砥石森など云ふ地名あり。井の跡とて石垣残れり。山口孫左衛門の祖先こゝに住めりと云ふ。遠野古事記に詳かなり。
「遠野物語114」
山は霞んでいます。

このあとは、早池峰山方面に少し車を走らせます。福泉寺の先。

在りし日の遠野が、此処に集められているのでした。

猿ヶ石川の岸辺、附馬牛と言う地域になります。つきもうし。
前の晩語り部から聞いた、遠野物語のマヨイガの森をイメージしているそうです。

遠野物語六三
小国の三浦某と云ふは村一の金持なり。今より二三代目の主人、まだ家は貧しくして、妻は少しく魯鈍なりき。

この妻ある日門(カド)の前を流るゝ小さき川に沿ひて蕗を採りに入りしに、よき物少なければ次第に谷奥深く登りたり。

さてふと見れば立派なる黒き門(モン)の家あり。

訝しけれど門の中に入りて見るに、大なる庭にて紅白の花一面に咲き鷄多く遊べり。

其庭を裏の方へ廻れば、牛小屋ありて牛多く居り、馬舎ありて馬多く居れども、一向に人は居らず。終に玄関より上がりたるに、その次の間には朱と黒との膳椀あまた取出したり。奥の坐敷には火鉢ありて鉄瓶の湯のたぎれるを見たり。されども終に人影は無ければ、もしは山男の家では無いかと急に恐ろしくなり、駆け出して家に帰りたり。

此事を人に語れども実と思う者も無かりしが、又或日我家のカドに出でゝ物を洗ひてありしに、川上より赤き椀一つ流れて来たり。あまり美しければ拾ひ上げたれど、之を食器に用ゐたらば汚しと人に叱られんかと思ひ、ケセネギツの中に起きてケセネを量る器と為したり。

然るに此器にて量り始めてより、いつ迄経ちてもケセネ尽きず。家の者も之を怪しみて女に問ひたるとき、始めて川より拾ひ上げし由をば語りぬ。此家はこれより幸運に向ひ、終に今の三浦家と成れり。

遠野にては山中の不思議なる家をマヨヒガと云ふ。マヨヒガに行き当りたる者は、必ず其家の内の什器家畜何にてもあれ持ち出でゝ来べきものなり。其人に授けんが為にかゝる家をば見する也。女が無慾にて何物をも盗み来ざりしが故に、この椀自ら流れて来たりしなるべしと云へり。

曲り家は幾つもあります。
片側は馬屋。だいたい左側が多いようです、西向きですね。

今度はオシラサマの話。
昔ある処に貧しき百姓あり。(中略)一匹の馬を養ふ。娘この馬を愛して夜になれば厩舎に行きて寝ね、つひに馬と夫婦になれり。ある夜父はこの事を知りて、(中略)馬を連れ出して桑の木につり下げて殺したり。その夜娘は(中略)死したる馬の首に縋りて泣きゐたりしを、父はこれをにくみて斧をもちて後より馬の首を切り落とせしに、たちまち娘はその首に乗りたるまま天に昇れり。

これも附馬牛の民話です。

座敷わらしが、ひょいと顔を出しそうですね。

厚く高密度な茅葺屋根、見事です。

ため池。

とんぼ。麦藁蜻蛉かな。

藁葺き屋根。

樹の実。

ありそうで無い日本の原風景です。

ピカピカの床。

私の部屋よりよっぽど美しい。

一番大規模な肝いりの家。

長屋門があるのはこの家だけです。

ここも左手が馬屋、右側が住居。

ここにも白馬が草を喰んでいました。

今で言えば、ガレージハウスですわ。白馬の代わりに鉄馬。
イイな、曲り家ガレージハウス。
お湯をキープする窯。

馬屋と住居の間は土間で、台所から農具などのワークショップ。
土間って良いですね。

もしも広い敷地があって、家を建てるなら、キーワードは、平屋、囲炉裏、手押しの井戸、土間、ガレージ、作業部屋、風力発電ですね。
縁側から眺めるガレージ部分。

またまた、ニッポンの風景です。

半鐘。

鳥居。

水車小屋。

これはだいぶ新しい。

使えます。

まだまだ続きますよ。

また、ため池。ダイサギが飛んでいました。

バッタリがありました。

水車よりもっと原始的ですね、宮城の七ヶ宿にもあります。

工業用獅子威し。
これは桑の木でしょうか。

コスモスが渡来したのは明治20年頃らしいので、一応時代考証的には、問題ないようです。

秋の季語にも使われるのに、和名は大春車菊だそうです。

別のため池。

ふるさと村には本物の田んぼがあります。

うちの会社にもありますけどね。

案山子も和装。

イナゴがいました。

赤い実が成る木。

睡蓮の池。

睡蓮。

そしてモミジ。

明治期の農村を見事に再現しているのは、北上のみちのく民族村そっくりですね。
ちょっとモダンなレストランもありました。

11時頃から何か道路を行列が流すイベントがあるということでした。
この映画のロケはここで行われたそうです。

漢字が読めない。

佐々木喜善の生家にほど近い、山口の水車小屋。

この風景を、雑誌やガイドブックで見ると、遠野じゅうにこんな場所が、幾つもあるように感じてしまうのですが、ホテルなどにおいてある「遠野マップ」には、他に水車の記載はないので、此処にしか無いのかもしれません。

ウィキペディアに載っている場所もこれしかありませんでした。
遠野ふるさと村(岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛5-89-1):下の方に出てきます。
府中市郷土の森博物館(府中市 (東京都)南町六丁目32)
日本民家園(神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-1)
水車の里公園(山梨県北杜市武川町三吹2573)
道の駅くんま水車の里(静岡県浜松市天竜区熊1976-1)
大王わさび農場(長野県安曇野市穂高1692 黒澤明の映画『夢』のロケ地):先日紹介済。
下呂温泉合掌村(岐阜県下呂市森2369)
岐阜県道257号川合垂井線沿い(岐阜県揖斐郡揖斐川町春日古屋地区)
馬籠宿
妻籠宿

今も製粉には使えそうです。

近くのダンノハナ。
田んぼはもうすぐ稲刈りが始まる季節かな。

山口のダンノハナは今は共同墓地なり。岡の頂上にうつ木を栽ゑめぐらし其口は東方に向かひて門口めきたる所あり。其中程に大なる青石あり。曾て一たび其下を掘りたる者ありしが、何者をも発見せず。後再び之を試みし者は大なる瓶あるを見たり。村の老人たち大に叱りければ、又もとのまゝに為し置きたり。館の主の墓なるべしと云ふ。此所に近き館の名はボンシヤサの館と云ふ。幾つかの山を掘り割りて水を引き、三重四重に堀を取り廻らせり。寺屋敷砥石森など云ふ地名あり。井の跡とて石垣残れり。山口孫左衛門の祖先こゝに住めりと云ふ。遠野古事記に詳かなり。
「遠野物語114」
山は霞んでいます。

このあとは、早池峰山方面に少し車を走らせます。福泉寺の先。

在りし日の遠野が、此処に集められているのでした。

猿ヶ石川の岸辺、附馬牛と言う地域になります。つきもうし。
前の晩語り部から聞いた、遠野物語のマヨイガの森をイメージしているそうです。

遠野物語六三
小国の三浦某と云ふは村一の金持なり。今より二三代目の主人、まだ家は貧しくして、妻は少しく魯鈍なりき。

この妻ある日門(カド)の前を流るゝ小さき川に沿ひて蕗を採りに入りしに、よき物少なければ次第に谷奥深く登りたり。

さてふと見れば立派なる黒き門(モン)の家あり。

訝しけれど門の中に入りて見るに、大なる庭にて紅白の花一面に咲き鷄多く遊べり。

其庭を裏の方へ廻れば、牛小屋ありて牛多く居り、馬舎ありて馬多く居れども、一向に人は居らず。終に玄関より上がりたるに、その次の間には朱と黒との膳椀あまた取出したり。奥の坐敷には火鉢ありて鉄瓶の湯のたぎれるを見たり。されども終に人影は無ければ、もしは山男の家では無いかと急に恐ろしくなり、駆け出して家に帰りたり。

此事を人に語れども実と思う者も無かりしが、又或日我家のカドに出でゝ物を洗ひてありしに、川上より赤き椀一つ流れて来たり。あまり美しければ拾ひ上げたれど、之を食器に用ゐたらば汚しと人に叱られんかと思ひ、ケセネギツの中に起きてケセネを量る器と為したり。

然るに此器にて量り始めてより、いつ迄経ちてもケセネ尽きず。家の者も之を怪しみて女に問ひたるとき、始めて川より拾ひ上げし由をば語りぬ。此家はこれより幸運に向ひ、終に今の三浦家と成れり。

遠野にては山中の不思議なる家をマヨヒガと云ふ。マヨヒガに行き当りたる者は、必ず其家の内の什器家畜何にてもあれ持ち出でゝ来べきものなり。其人に授けんが為にかゝる家をば見する也。女が無慾にて何物をも盗み来ざりしが故に、この椀自ら流れて来たりしなるべしと云へり。

曲り家は幾つもあります。
片側は馬屋。だいたい左側が多いようです、西向きですね。

今度はオシラサマの話。
昔ある処に貧しき百姓あり。(中略)一匹の馬を養ふ。娘この馬を愛して夜になれば厩舎に行きて寝ね、つひに馬と夫婦になれり。ある夜父はこの事を知りて、(中略)馬を連れ出して桑の木につり下げて殺したり。その夜娘は(中略)死したる馬の首に縋りて泣きゐたりしを、父はこれをにくみて斧をもちて後より馬の首を切り落とせしに、たちまち娘はその首に乗りたるまま天に昇れり。

これも附馬牛の民話です。

座敷わらしが、ひょいと顔を出しそうですね。

厚く高密度な茅葺屋根、見事です。

ため池。

とんぼ。麦藁蜻蛉かな。

藁葺き屋根。

樹の実。

ありそうで無い日本の原風景です。

ピカピカの床。

私の部屋よりよっぽど美しい。

一番大規模な肝いりの家。

長屋門があるのはこの家だけです。

ここも左手が馬屋、右側が住居。

ここにも白馬が草を喰んでいました。

今で言えば、ガレージハウスですわ。白馬の代わりに鉄馬。
イイな、曲り家ガレージハウス。
お湯をキープする窯。

馬屋と住居の間は土間で、台所から農具などのワークショップ。
土間って良いですね。

もしも広い敷地があって、家を建てるなら、キーワードは、平屋、囲炉裏、手押しの井戸、土間、ガレージ、作業部屋、風力発電ですね。
縁側から眺めるガレージ部分。

またまた、ニッポンの風景です。

半鐘。

鳥居。

水車小屋。

これはだいぶ新しい。

使えます。

まだまだ続きますよ。

また、ため池。ダイサギが飛んでいました。

バッタリがありました。

水車よりもっと原始的ですね、宮城の七ヶ宿にもあります。

工業用獅子威し。
これは桑の木でしょうか。

コスモスが渡来したのは明治20年頃らしいので、一応時代考証的には、問題ないようです。

秋の季語にも使われるのに、和名は大春車菊だそうです。

別のため池。

ふるさと村には本物の田んぼがあります。

うちの会社にもありますけどね。

案山子も和装。

イナゴがいました。

赤い実が成る木。

睡蓮の池。

睡蓮。

そしてモミジ。

明治期の農村を見事に再現しているのは、北上のみちのく民族村そっくりですね。
ちょっとモダンなレストランもありました。

11時頃から何か道路を行列が流すイベントがあるということでした。
この映画のロケはここで行われたそうです。

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