Category: ニュース
生まれる時を間違えた鴨じゃなくて鷹
夜だかは、どこまでも、どこまでも、まっすぐに空へのぼって行きました。もう山焼けの火はたばこの吸殻すいがらのくらいにしか見えません。よだかはのぼってのぼって行きました。
寒さにいきはむねに白く凍こおりました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。
それだのに、ほしの大きさは、さっきと少しも変りません。つくいきはふいごのようです。寒さや霜しもがまるで剣のようによだかを刺さしました。よだかははねがすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居おりました。
それからしばらくたってよだかははっきりまなこをひらきました。そして自分のからだがいま燐りんの火のような青い美しい光になって、しずかに燃えているのを見ました。
すぐとなりは、カシオピア座でした。天の川の青じろいひかりが、すぐうしろになっていました。
そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。
子供の頃教科書で読んだ宮沢賢治の短編「よだかの星」の最後の部分です。なんとなく、ここだけは覚えている、哀しい話です。全文はこちら。
私がドイツに赴任した1982年、フォークランド戦争のまっただ中で、イギリスの新聞には、シーハリアーの写真がよく載ってました。言わずと知れた、垂直離着陸戦闘機。ジェットエンジンを下に向けて、離着陸ができる戦闘機でした。当時アルゼンチン軍との空中戦で連戦連勝。

ただ、一度故障したシーハリアーが、タンカーの上に不時着したニュースには、笑ってしまいました。もちろん不時着も垂直着船。
一週間ほど前、この写真が新聞の一面に載っていて、正直、美しいと思ったのですが、最近の新聞のカラー印刷の解像度、すごいですね。

そして。
昨日、一緒にニュースを観ていた同僚がポツリ。
オスプレイかぁ。
(仙台)空港の滑走路が使えるようになる前に、(被災地に)飛んできてたら、大歓迎されただろうなぁ。

確かに。
以下はウィキペディアから。
3月16日、嘉手納基地の空軍第320特殊戦術飛行中隊は、C-130輸送機で移動し、残骸除去が進んでいた松島基地に着陸。陸路でもって仙台空港へと移動した。仙台空港においては、空港の保守作業を請け負っている前田道路等と協力し、滑走路上の残骸を除去、臨時の航空管制を開始した。滑走路の確保された部分を利用し、MC-130輸送機を用いて、航空輸送を開始している。のちには、この復旧作業に海兵隊も投入されている。アメリカ軍はこの空港を使って 200万トン以上の食料、水、毛布を被災地に運んだ。
トモダチ作戦(トモダチさくせん、英語:Operation Tomodachi [オペレーション・トモダチ])は、アメリカ軍の作戦名の一つ。2011年(平成23年)3月11日に日本で発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震とそれを原因とする災害)に対して行う災害救助・救援および復興支援を、活動内容とする。
作戦名は日本語の「友達」にちなんでいる。この語は、アメリカ太平洋軍司令部に北東アジア政策課日本担当として在籍中のアメリカ空軍退役軍人ポール・ウィルコックス (Paul Wilcox) を名付け親として、アメリカ太平洋軍司令ロバート・F・ウィラード大将 (Admiral Robert F. Willard) が採用した。
4月5日までには大量破壊兵器(NBC兵器。核兵器・生物兵器・化学兵器)対策などを専門とする海兵隊の特殊部隊であるCBIRF(化学生物事態対処部隊)が到着。4月6日までにトモダチ作戦は、被災者の捜索・救援の段階から、福島第一原子力発電所事故への対応や復興支援の段階へ移行した。
アメリカ合衆国連邦政府は4月6日、アメリカ軍が展開中の「トモダチ作戦」の予算が最大8000万ドル(約68億円)であることを、日本政府に伝えた。現場でのトモダチ作戦としての支援活動は4月30日にほぼ終了した。
もし、日本の市民にとって米軍基地が必要で、その米軍にとって、列島防衛のためにオスプレイが無くてはならない機材であるとしたら。
もし、アメリカの軍人さんたちを、地元の人達が歓迎できるのであれば。
もし、異次元の世界の災害で、オスプレイが、支援物資を運んで来てくれたとしたら。
たとえ事故で墜落したとしても、人々は手をあわせて涙するでしょう。
可哀想な魚鷹、いじめられっ子のミサゴ。
ミサゴ(鶚、雎鳩、雎、鵃。学名: Pandion。英名:Osprey)は、鳥類ミサゴ科ミサゴ属の総称である。魚を捕食することから「魚鷹(うおたか)」の異名がある。
主に海岸に生息するが、内陸部の湖沼、広い河川、河口等にも生息する。水面をゆっくりと低空飛行し獲物を探す。春・秋の渡りの季節には長野県などの内陸部を移動する個体が観察される。単独かつがいで生活する。
食性は肉食性で主に魚類を食べるが、爬虫類、鳥類、貝類を食べることもある。獲物を見つけると素早く翼を羽ばたかせて空中に静止するホバリング飛行を行った後に急降下し、水面近くで脚を伸ばし両足で獲物を捕らえる。和名の由来は様々な説があり水を探るが転じたとする説や、獲物を捕らえる時の水音が由来とする説(西日本では水面に突入する音から、本種のことを「ビシャ」、または「ビシャゴ」と呼んでいる地域がある)等がある。
きっとキミは悪くない。
画像は全てニュースサイトからの借用です。
寒さにいきはむねに白く凍こおりました。空気がうすくなった為に、はねをそれはそれはせわしくうごかさなければなりませんでした。
それだのに、ほしの大きさは、さっきと少しも変りません。つくいきはふいごのようです。寒さや霜しもがまるで剣のようによだかを刺さしました。よだかははねがすっかりしびれてしまいました。そしてなみだぐんだ目をあげてもう一ぺんそらを見ました。そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わかりませんでした。ただこころもちはやすらかに、その血のついた大きなくちばしは、横にまがっては居ましたが、たしかに少しわらって居おりました。
それからしばらくたってよだかははっきりまなこをひらきました。そして自分のからだがいま燐りんの火のような青い美しい光になって、しずかに燃えているのを見ました。
すぐとなりは、カシオピア座でした。天の川の青じろいひかりが、すぐうしろになっていました。
そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
今でもまだ燃えています。
子供の頃教科書で読んだ宮沢賢治の短編「よだかの星」の最後の部分です。なんとなく、ここだけは覚えている、哀しい話です。全文はこちら。
私がドイツに赴任した1982年、フォークランド戦争のまっただ中で、イギリスの新聞には、シーハリアーの写真がよく載ってました。言わずと知れた、垂直離着陸戦闘機。ジェットエンジンを下に向けて、離着陸ができる戦闘機でした。当時アルゼンチン軍との空中戦で連戦連勝。

ただ、一度故障したシーハリアーが、タンカーの上に不時着したニュースには、笑ってしまいました。もちろん不時着も垂直着船。
一週間ほど前、この写真が新聞の一面に載っていて、正直、美しいと思ったのですが、最近の新聞のカラー印刷の解像度、すごいですね。

そして。
昨日、一緒にニュースを観ていた同僚がポツリ。
オスプレイかぁ。
(仙台)空港の滑走路が使えるようになる前に、(被災地に)飛んできてたら、大歓迎されただろうなぁ。

確かに。
以下はウィキペディアから。
3月16日、嘉手納基地の空軍第320特殊戦術飛行中隊は、C-130輸送機で移動し、残骸除去が進んでいた松島基地に着陸。陸路でもって仙台空港へと移動した。仙台空港においては、空港の保守作業を請け負っている前田道路等と協力し、滑走路上の残骸を除去、臨時の航空管制を開始した。滑走路の確保された部分を利用し、MC-130輸送機を用いて、航空輸送を開始している。のちには、この復旧作業に海兵隊も投入されている。アメリカ軍はこの空港を使って 200万トン以上の食料、水、毛布を被災地に運んだ。
トモダチ作戦(トモダチさくせん、英語:Operation Tomodachi [オペレーション・トモダチ])は、アメリカ軍の作戦名の一つ。2011年(平成23年)3月11日に日本で発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震とそれを原因とする災害)に対して行う災害救助・救援および復興支援を、活動内容とする。
作戦名は日本語の「友達」にちなんでいる。この語は、アメリカ太平洋軍司令部に北東アジア政策課日本担当として在籍中のアメリカ空軍退役軍人ポール・ウィルコックス (Paul Wilcox) を名付け親として、アメリカ太平洋軍司令ロバート・F・ウィラード大将 (Admiral Robert F. Willard) が採用した。
4月5日までには大量破壊兵器(NBC兵器。核兵器・生物兵器・化学兵器)対策などを専門とする海兵隊の特殊部隊であるCBIRF(化学生物事態対処部隊)が到着。4月6日までにトモダチ作戦は、被災者の捜索・救援の段階から、福島第一原子力発電所事故への対応や復興支援の段階へ移行した。
アメリカ合衆国連邦政府は4月6日、アメリカ軍が展開中の「トモダチ作戦」の予算が最大8000万ドル(約68億円)であることを、日本政府に伝えた。現場でのトモダチ作戦としての支援活動は4月30日にほぼ終了した。
もし、日本の市民にとって米軍基地が必要で、その米軍にとって、列島防衛のためにオスプレイが無くてはならない機材であるとしたら。
もし、アメリカの軍人さんたちを、地元の人達が歓迎できるのであれば。
もし、異次元の世界の災害で、オスプレイが、支援物資を運んで来てくれたとしたら。
たとえ事故で墜落したとしても、人々は手をあわせて涙するでしょう。
可哀想な魚鷹、いじめられっ子のミサゴ。
ミサゴ(鶚、雎鳩、雎、鵃。学名: Pandion。英名:Osprey)は、鳥類ミサゴ科ミサゴ属の総称である。魚を捕食することから「魚鷹(うおたか)」の異名がある。
主に海岸に生息するが、内陸部の湖沼、広い河川、河口等にも生息する。水面をゆっくりと低空飛行し獲物を探す。春・秋の渡りの季節には長野県などの内陸部を移動する個体が観察される。単独かつがいで生活する。
食性は肉食性で主に魚類を食べるが、爬虫類、鳥類、貝類を食べることもある。獲物を見つけると素早く翼を羽ばたかせて空中に静止するホバリング飛行を行った後に急降下し、水面近くで脚を伸ばし両足で獲物を捕らえる。和名の由来は様々な説があり水を探るが転じたとする説や、獲物を捕らえる時の水音が由来とする説(西日本では水面に突入する音から、本種のことを「ビシャ」、または「ビシャゴ」と呼んでいる地域がある)等がある。
きっとキミは悪くない。
画像は全てニュースサイトからの借用です。
- 関連記事
-
- もっと綺麗な西公園に (2015/12/10)
- ヴェネッツィアや松島の近く (2015/12/03)
- いろいろ (2013/12/07)
- 金華山沖かよ (2013/06/22)
- 手に負えないから撤去せざるを得ない (2013/05/25)
- ロングクルージング (2013/04/13)
- 本当に やっとこさ (2013/04/05)
- 私たちの望むものは (2012/12/17)
- いつまでこのままなんだろう (2012/10/30)
- 生まれる時を間違えた鴨じゃなくて鷹 (2012/09/28)
- 老舗率が高いんだって (2012/09/13)
- 芭蕉が憧れた地 (2012/04/20)
- 昨日の夕刊の心温まる記事 (2012/03/15)
- 遅れる北帰行 (2012/03/09)
- すべてが逆? (2012/02/16)
Comments
シーハリアー
☆風写さんへ
この飛行機を最初に見た時はSF映画に登場するような飛行機と思いましたね・・・
実に恰好良いし機能的で好きです。
オスプレイは、以前見た映画「ターミネーター」にも登場してました。
確かに日本に来るタイミングを逸しましたね・・・
リスクの高いものは慎重に考えないと・・・
この飛行機を最初に見た時はSF映画に登場するような飛行機と思いましたね・・・
実に恰好良いし機能的で好きです。
オスプレイは、以前見た映画「ターミネーター」にも登場してました。
確かに日本に来るタイミングを逸しましたね・・・
リスクの高いものは慎重に考えないと・・・
LYNX☆さんへ
おはようございます。
そうなんです、別に私はオスプレイ配備に賛成しているわけはありませんが、滑走路がないところに、輸送機が離着陸できると言う能力はずば抜けた、というかオンリーワンであるはず。
それが軍事的に必要なのかという議論がないから、誰も賛成する人が居ない、おかしなテレビ番組ばかりになってます。
世の中に兵器なんて無い方が良いに決まってるし、平和なら軍事訓練は不要。
だけどもしあの震災の時に、自衛隊がオスプレイを持っていたら、というのは考えてしまいますよね。
離島に暮らす人も、宮城の自衛隊基地には、何かの時のためにオスプレイがあれば、安心かもしれない。
ものづくりに関わったことがある私としては、その機能は正当に評価されず、疫病神にされているオスプレイが、夜鷹やいじめに合う子供たちに見えてしまうのでした。
そうなんです、別に私はオスプレイ配備に賛成しているわけはありませんが、滑走路がないところに、輸送機が離着陸できると言う能力はずば抜けた、というかオンリーワンであるはず。
それが軍事的に必要なのかという議論がないから、誰も賛成する人が居ない、おかしなテレビ番組ばかりになってます。
世の中に兵器なんて無い方が良いに決まってるし、平和なら軍事訓練は不要。
だけどもしあの震災の時に、自衛隊がオスプレイを持っていたら、というのは考えてしまいますよね。
離島に暮らす人も、宮城の自衛隊基地には、何かの時のためにオスプレイがあれば、安心かもしれない。
ものづくりに関わったことがある私としては、その機能は正当に評価されず、疫病神にされているオスプレイが、夜鷹やいじめに合う子供たちに見えてしまうのでした。