Category: カメラ
プリーズ、ミスターレンズマン2
パンケーキレンズってご存知ですか?
甘いものには全く目があるので、詳しくないのですが、パンケーキと言うのはフライパンのような平たい鍋(?)で作るケーキだそうで、いわゆるホットケーキもそれに含まれるようです。

そんなカタチ、パンケーキタイプと呼ばれる交換レンズが存在するんです。
甘いものに目がないカメラマンたちには是非使って欲しいんですね。

レンズ(この場合は、交換レンズ等の集合体)と言うのは、明るくしようと頑張る、つまり光をたくさん集めようとすると、径がでかくなります。
そうすると収差、赤から紫までの波長の違いによる光学的な数値差が大きくなり、補正するためにレンズ(ここでは単体、ガラスのレンズ)の枚数が増えていき、全長が長くなるくと言う、ジレンマに陥っていくのです。
よって性能重視のレンズは、それなりの大きさになってしまうんですね。
これは、CONTAX用のカールツァイスレンズ。
左が、プラナー50mm/F1.4、右がテッサー45mm/F2.8です。

1897年(二つ前の世紀ですよ!)に発明(!)されたプラナーは現在でも明るい(英語ではFast=速いと表現されます) レンズの代名詞ですが、通常6枚から7枚の単レンズで構成されます。
一方テッサーは1902年の発明、二絞り暗いレンズの方があとから発明されていました。
テッサーは通常3群4枚の構成です。
つまり順番は逆ですが、テッサーのレンズ径を大きくして明るいレンズを作ろうとすると、色収差が増えて補正のためのレンズを増やさざるを得なくなり、全体が長くなってしまうと言うわけです。

ずいぶん長さが違いますよね。
この差、レンズの長さが、カメラマンのアクションに与える影響は小さくないと思われます。
また、一般的には構成レンズの枚数が増えると、レンズ間の乱反射が増えます。
光が空気中からガラス内に入る時に設計どおりに入ってくれない分がわずかに出てしまうんですね。
メガネが汚れていると気になるのはそれと同じ理由からです。
そして乱反射は、フレアやゴーストと呼ばれる現象を引き起こします。
乱反射が写真の一部分に集中すると、例えば電球の光が点々といくつも映ったり、絞りの形、六角形や八角形が斜めに並んだりするのですが、もっと厄介なのが、全体が白っ茶けてしまう現象です。暗い部分が持ち上がってしまうために、ダイナミックレンジが狭くなり、コントラストが失われてしまうんですね。
ズームレンズになるとさらに顕著。構成レンズの枚数が増えれば増えるほど、基本的にはコントラストの低い絵になってしまうわけです。締まりがない絵。
もちろん最近の技術、これもメガネと共通ですが、コーティングを重ねることで、乱反射を減らし、フレアを軽減させているのが今のレンズなんです。

でも原点に帰って、明るくはない(英語ではSlow=遅い)けど、薄くて軽くて締まりのある絵が撮れるのが、テッサータイプと言われるパンケーキレンズなんですね。
私はまだあまりレンズおたくではないので、実写で差を較べるのは老後の楽しみにとってあるんです。
厳しい人は、レンズを購入する時も、店で在庫を全部持ってこさせて、較べて選んでいくそうですけど。
下はこんな使い方をするカメラマンはまず居ないと思われる、巨大なCONTAX AXとの組み合わせ。

メルセデスが、軽自動車のタイヤを履いているみたいですね。
テッサータイプのひとつの弱点は、絞りを変えるとピントが若干ずれるそうなので、フィルム移動のAFカメラには合うような気もするんですけど。
収差には、波長によってピントがずれる、軸上色収差と、色によって像のサイズが異なる(=周辺に色が付いてしまう)倍率色収差があるのですが、興味がある方には個別にお話します。
あとはうちのパンケーキレンズ自慢です。
まずはリコーのリケノン45mm・F2.8、もちろんテッサーのパクリですね。55gしかありません。

今は無きリコーの一眼レフは、Pentaxと共通のKマウントですから、これは最新のペンタックスのデジ一でも使えます。
次は王者ニコンのニッコール50mm/F1.8

テッサーほど薄くはありませんが、性能は良さそうです。
そしてこれはライカ用のアベノン28mm/F3.5、国産です。
元々スクリューマウント用ですが、写真ではMマウント用の変換アダプターを履いています。

元々ライカにはパンケーキタイプは無いのですが、フランジバックが短いシステムだとあまり薄くならないからでしょうか。
むしろ沈胴式が有名な、エルマーはテッサータイプだそうです。
次は、Pentaxの43mm/F1.9 Limited

これもテッサーほど薄くはありませんが、Limitedの名を冠するにふさわしいゴージャスなオートフォーカスレンズです。もちろん35mmフルサイズにも使用可能。デジ一で使うと69mm相当になります。
そして同じく21mm/F3.2 Limited

こちらはデジタル専用、換算値は、34mmになります。私の一番好きな画角。
こちらは最近話題のマイクロフォーサーズ用、OlympusのZuiko Digital 17mm/F2.8です。

こちらも偶然か、34mm相当。
こんなレンズが最初から発売されるところが、マイクロフォーサーズの魅力ですね。
同じくPanasonicは、20mm/F1.7です。明るい!!

40mm相当ですね。
何でも撮れる高倍率ズームレンズを着けたカメラをバッグに入れて出かけるよりも、パンケーキレンズのカメラを首からぶら下げて、足を使って撮りまくるほうがきっと想い出に残る作品になりますよ。
甘いものには全く目があるので、詳しくないのですが、パンケーキと言うのはフライパンのような平たい鍋(?)で作るケーキだそうで、いわゆるホットケーキもそれに含まれるようです。

そんなカタチ、パンケーキタイプと呼ばれる交換レンズが存在するんです。
甘いものに目がないカメラマンたちには是非使って欲しいんですね。

レンズ(この場合は、交換レンズ等の集合体)と言うのは、明るくしようと頑張る、つまり光をたくさん集めようとすると、径がでかくなります。
そうすると収差、赤から紫までの波長の違いによる光学的な数値差が大きくなり、補正するためにレンズ(ここでは単体、ガラスのレンズ)の枚数が増えていき、全長が長くなるくと言う、ジレンマに陥っていくのです。
よって性能重視のレンズは、それなりの大きさになってしまうんですね。
これは、CONTAX用のカールツァイスレンズ。
左が、プラナー50mm/F1.4、右がテッサー45mm/F2.8です。

1897年(二つ前の世紀ですよ!)に発明(!)されたプラナーは現在でも明るい(英語ではFast=速いと表現されます) レンズの代名詞ですが、通常6枚から7枚の単レンズで構成されます。
一方テッサーは1902年の発明、二絞り暗いレンズの方があとから発明されていました。
テッサーは通常3群4枚の構成です。
つまり順番は逆ですが、テッサーのレンズ径を大きくして明るいレンズを作ろうとすると、色収差が増えて補正のためのレンズを増やさざるを得なくなり、全体が長くなってしまうと言うわけです。

ずいぶん長さが違いますよね。
この差、レンズの長さが、カメラマンのアクションに与える影響は小さくないと思われます。
また、一般的には構成レンズの枚数が増えると、レンズ間の乱反射が増えます。
光が空気中からガラス内に入る時に設計どおりに入ってくれない分がわずかに出てしまうんですね。
メガネが汚れていると気になるのはそれと同じ理由からです。
そして乱反射は、フレアやゴーストと呼ばれる現象を引き起こします。
乱反射が写真の一部分に集中すると、例えば電球の光が点々といくつも映ったり、絞りの形、六角形や八角形が斜めに並んだりするのですが、もっと厄介なのが、全体が白っ茶けてしまう現象です。暗い部分が持ち上がってしまうために、ダイナミックレンジが狭くなり、コントラストが失われてしまうんですね。
ズームレンズになるとさらに顕著。構成レンズの枚数が増えれば増えるほど、基本的にはコントラストの低い絵になってしまうわけです。締まりがない絵。
もちろん最近の技術、これもメガネと共通ですが、コーティングを重ねることで、乱反射を減らし、フレアを軽減させているのが今のレンズなんです。

でも原点に帰って、明るくはない(英語ではSlow=遅い)けど、薄くて軽くて締まりのある絵が撮れるのが、テッサータイプと言われるパンケーキレンズなんですね。
私はまだあまりレンズおたくではないので、実写で差を較べるのは老後の楽しみにとってあるんです。
厳しい人は、レンズを購入する時も、店で在庫を全部持ってこさせて、較べて選んでいくそうですけど。
下はこんな使い方をするカメラマンはまず居ないと思われる、巨大なCONTAX AXとの組み合わせ。

メルセデスが、軽自動車のタイヤを履いているみたいですね。
テッサータイプのひとつの弱点は、絞りを変えるとピントが若干ずれるそうなので、フィルム移動のAFカメラには合うような気もするんですけど。
収差には、波長によってピントがずれる、軸上色収差と、色によって像のサイズが異なる(=周辺に色が付いてしまう)倍率色収差があるのですが、興味がある方には個別にお話します。
あとはうちのパンケーキレンズ自慢です。
まずはリコーのリケノン45mm・F2.8、もちろんテッサーのパクリですね。55gしかありません。

今は無きリコーの一眼レフは、Pentaxと共通のKマウントですから、これは最新のペンタックスのデジ一でも使えます。
次は王者ニコンのニッコール50mm/F1.8

テッサーほど薄くはありませんが、性能は良さそうです。
そしてこれはライカ用のアベノン28mm/F3.5、国産です。
元々スクリューマウント用ですが、写真ではMマウント用の変換アダプターを履いています。

元々ライカにはパンケーキタイプは無いのですが、フランジバックが短いシステムだとあまり薄くならないからでしょうか。
むしろ沈胴式が有名な、エルマーはテッサータイプだそうです。
次は、Pentaxの43mm/F1.9 Limited

これもテッサーほど薄くはありませんが、Limitedの名を冠するにふさわしいゴージャスなオートフォーカスレンズです。もちろん35mmフルサイズにも使用可能。デジ一で使うと69mm相当になります。
そして同じく21mm/F3.2 Limited

こちらはデジタル専用、換算値は、34mmになります。私の一番好きな画角。
こちらは最近話題のマイクロフォーサーズ用、OlympusのZuiko Digital 17mm/F2.8です。

こちらも偶然か、34mm相当。
こんなレンズが最初から発売されるところが、マイクロフォーサーズの魅力ですね。
同じくPanasonicは、20mm/F1.7です。明るい!!

40mm相当ですね。
何でも撮れる高倍率ズームレンズを着けたカメラをバッグに入れて出かけるよりも、パンケーキレンズのカメラを首からぶら下げて、足を使って撮りまくるほうがきっと想い出に残る作品になりますよ。
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